総合目次に戻る  東北まちづくり協議会って何?

N市まちづくりシンポジウム 平成11年11月6日
                                    狩野 記
第一部 現況の報告会 14:00開始
    商店街企画
    主催:東北まちづくり協議会(NPO法人)

東北まちづくり協議会理事長 近江隆 挨拶
 非特定公益法人成立の初めとその過程
   宮古−盛岡−秋田の横軸連携の動きに参加
        秋田:行政からの地域造り
        宮古:女性リーダーの言いたい放題
   今回のN市商店街が本格的相談事業の最初
   住民の参加が叫ばれるが中、住民が参加できる範囲はどこまでか
      アメリカでは住民が専門家を雇ってさまざまな提案をしている
   専門家が組織を離れて提案できる立場の確立が本協議会の目的
      箱物の提案だけでなく維持管理にまで意を注ぐ必要がある
     ほんとにマネージメントを学ばなければならないのは住民自体で団体の役員
     ではない

F県都市計画課A氏
  N市では高田橋にかつて拘わっていた
  道路とは 哲学的な意味を有する 文明文化を伝える 都市と縁が切れない
     人・車の流れと沿道の土地利用が発生する
     交差が人を対流させ町が発生する
     交通機能だけではない 町を造り文化を創る 時間と文化
            N市は歴史的都市 時の流れを感じさせる
  道が経済機能を優先させている傾向がある
  生活を成り立たせることが重要

  考え方として:道路法による道路種類の指定−国・県・市道とうの規制がある
       将来交通量を推定し、その予測に基づいて指定
       市街地は一般に既成道路の拡幅で対応
       時間とともに改正されている 計画時の新規則を適用する
                 そのために既存道路の幅が多岐に渡る
  幹線道路基本パターン
         歩道    車道・車道    歩道4.5M
            停車帯 :2車線 : 停車帯
            路側帯      路側帯
       市街地の場合はゆとりのあるスペースがほしい
         歩道4.5Mであっても人間・自転車・植樹帯を用意すること
         で有効幅は実質3M程度になってしまう

     都市計画道路:マスタープランによる
           交通計画・土地利用計画を基本にして考える
           市街地道路では交差点の設計が重要と考える
           ゆとりとしてのポケットパーク等小広場の確保
             都市内の賑わいに対する余裕
                N市では歴史に関するイベント広場
     路線ごとの整備は少ないチャンスで最大のメリットとなるような計画が必要
       住民の積極的な姿勢を望み協力を惜しまない

F県県中小企業課B氏
  商店街の活性化担当 予算の原案作成に腐心している
     昨年度活性化案を作り、本年度は実行プランを望んでいる
      Uデパート(K市)
         フロアーにコーヒースポットなどを置き滞留時間の延長をねらう
      巡回ミニバス(F市)
         住宅地と商店街を結ぶ 商店街独自で初乗り料金負担
  中心市街地の活性化 平成10年度より
    まちづくりと認識:11省庁の連携 地域のまちづくりを支援
      点の整備から面の整備へ  中心市街地活性化本部が整備されている
  空洞化の理由  人口の減少 50%程度減少 F市・K市・M町
      車社会への対応の遅れ
         商店街の途中で必要に応じた駐車・停車が不可能
      ヨーロッパ的広場のような空間的街の中心が見られない
         日本では駅・商店街が代わるのではないか
    中心商店街を支援するスキームはできている
   K市の長所:城址公園
        休みなど家が狭くて家に居られない人にとっての心の拠り所
        ただし美味しいものが見つけられない−アイスクリームがほしい
        商業上望まれるものの提供が必要
   手厚い商業に対する支援策を用意しているので相談してほしい
     街路灯・ポケットパークの設置など
     コミュニティーホールと駐車場をセットとして計画する場合
     家賃補助、不足業種の誘致に対して−W市N町
     低金利融資、商店街の改修、高度化利用などについて20年間無利子返済
     イベント助成 1/2
     共同事業に対する補助・融資制度が整っている
  まちづくりに対して県に積極的に聞いてほしい

司会:代表的長期イベントに訪れる資源を活かしていない

N市市街地整備課A2氏
  N市駅周辺地区の区画整理を計画した切っ掛け
          R川(平成2年)の改修へ向けての整備計画
  駅周辺市街地再整備計画 平成3年〜5年
          F県地方都市拠点整備計画との整合性を考えた
       10案程度の中から3案に絞った→その結果としての区画整理事業
    平成 7年春 市街地整備構想を説明 その後住民と案の段階から説明会
    同年11月 推進協議会
    平成8−9年 B調査
    平成9年1月 基本計画案を発表
       4月 方向決定
          住民からの要望として12項目113件に対して
            事業費などは盛り込めない
            望ましいが規則などで実現性の乏しいものもあった
    平成11年  修正案 道路法線は修正せず
            移転・換地などは今後の問題
      その後1年以上を要した
    まちづくりの目的は何であったか 全体を総合的
       防災・M地区の災害路・F町の緊急避難路
       市の玄関口における顔づくり整備 駅前
       低・未利用地の利用活性化
       賑わいの創設
    中心市街地の活性化と連携させる
       今後町並み整備
       歴史と文化のまちづくり−歴史的資源の活用
   区画整理でなければ一体的整備は不可能と考える
   市が300JR跡地 18000製糸工場跡地の購入
        最初で最後の機会ではないか 地理的・地形的制約が強い
        公共減歩が高くなる部分を製糸工場跡地によって解消
     中心市街地活性化(基盤整備は行政)と中心商店街活性化(町並みは住民)
     を両立させることは簡単ではない 手探りである。

C町内会代表S氏    F町商店街の端に居住 人口40%以上の減少
              かつて650世帯あったものが393世帯
         I町小学校 300人の生徒が居たのに来年入学者0人
   将来に向かって
     道路・車社会に対応した生活スタイルの転換が必要ではないか
        道路は改良すべきであろう
     間口6M奥行き33間の宅地改善に対しては土地区画整理に頼る外ない
        狭くても間口が広く奥行きが少ないほうがよい
     かみ砕いた説明が望まれるし、それによっては納得もするが
   立派な報告書が渡されるが読むだけでも大変
     エネルギー・時間・金をかけて何も実現されていない
     3Mの歩道すら20数年かかって民間主導でやってきたが民間主導では未
    だ実現されない
     有効歩道70数cmという所すらあり、更にダンボールを表に出す
     狭い歩道でも客はくる場所があるのも事実であるが、また20Mの道路も
    よいが、何とか3M歩道は実現させたい
     現状はかつての1/10ほども客が来ていない、路線商店街は寂れ消滅す
    るのを待つばかりである

C商店街代表E氏
  商業者として日ごろの思いを順不動で話したい
     商業者以外の方々で不愉快な思いをする人があったらお許し願いたい
     自然発生的な商店街の成立のことを考えれば、かつて、商店は活性化してい
    るところに移ればよいと話したが、その時と同じことが現在自分に降りかかっ
    ている
     F町には客が定着していて当たり前と思っている
     賑わっている場所で商売をする人はいるが、賑わいを生み出す商人(大家も
    含めて商人と考える)がいない
     かつて、定住者がいなくても成り立つ商業地が存在し得たにもかかわらず
     アメリカ型の商業が中心市街地を滅ぼす
     正反対な考え方のどちらの部分にも補助金を出すというのは大変
        不思議な感じがする
  商業活性化の位置づけはありがたいが区画整理に商業活性化はない
    かつてN市に関して「区画整理で商業活性化」という記事はいったいどの
    ような事かと思っている
  いまだに区画整理そのものを理解していない人がいるという現実はどう考えるのか
  区画整理事業が滞っている事態は一体何なのかを考えたい
     都市計画決定が先にあっての区画整理のような気が拭えない
     会議所・地元・市が一帯となって推進すべきとの返事をもらっているが
     商業の集積・一体化・高度化を考えるに当たって、商店街全体が一体とな
    って考える必要があるのではないか
     決して区画整理に反対するものではないが

以上で一部の報告会を終了。ご報告いただきましたF県・N市・N市民の方々に感謝


二部 パネル・ディスカッション
パネラー紹介
   コーディネーター:佐々木孝(TPSまち創り研究室)
   N市民:K町内会N氏、C町内会S氏、C商店会K氏、G商店会F氏
   協 議 会:狩野勝重(日本大学工学部)、二谷一雄(日本不動産研究所)
        井上光機(コーエー設計+福祉施設研究室)

近江隆東北まちづくり協議会理事長
  道路の幅と商店街の活性化の関係はどういう状況か これは答えがない
    住民自身が了解しなければならない 議論の中から見えてくる
    回答をみると地域の人々がみんなで議論しなければならぬことは了解の下
  どのような形で議論を深め納得していくか
  大変複雑な問題を抱えてスタートした区画整理事業で何を切り口としていくか
    一般の人々には先が見えない
  区画整理は基盤整備でまちの賑わいは生み出せない
    うわものが見えなければ難しいのではないか
    昼食に苦労した 活動を停止しているのではないか 3Mの歩道に10年以
          上かかった話は感動
          自分たちで何かをする必要があろう

コーディネーター:3分を目処に
狩野 N市に町の顔が見られない
   大きな長期観光イベントがあるが、駅を降りてもイベントと町の顔が見えない
   市民が同列で物事を討論したことがない

コーディネーター:事業性の立場から
二谷 事業の具体化、成功への道  行政のこれまでの計画つくりに敬意を表する
   国全体が厳しい財政事情 財政再建が始まると大変な時代になる
   身の丈にあったコンパクトなまちづくりになるように時間をかけるべき

コーディネーター:公益性について
井上 地勢からくる問題を克服した上で「人にやさしいまちづくり」が必要
   各組織が地域住民の一人一人と機能しあっていない 理解の前提
   ハートビル法、バリアフリー、ユニバーサルデザインの視点が必要
   子供たち年寄りははどこにいってしまったのか 施設型へ移行してしまっている
   安心してすめる町

コーディネーター:第一印象としてイベント会場すらわからない、努力・コミュニケー
   ションの形跡が不足している(見当たらない)
C商店会K氏
   土地が高いということで若い人 郊外に出た若者が将来戻ってきてほしい
   商店主が単なる土地所有者であって商業者ではない
   ほんとの商業者、土地所有者でありたい
     共同事業に対する合意形成の不安が付きまとう 合意形成への努力を

コーディネーター:官民一体が必要と思うが、それに対して
N氏 上口昭和44年 16会→s44 46軒店会結成
   横道、新開地などがあった s47ころから店の前に信号機ができ、住みづらい
   まちは隣近所と井戸端会議かできるところがよい
   かつて「まち」に拘らなかったが、いまはどうなのかという考えが過ぎる
   本音で語ったことがないということに今気がついた
   子供、年寄りがすみやすい土壌は残っている N市は人間が住める最後の町
   山・川が乱開発を防いだ

コーディネーター:山・川は非常に重要な要素と思います。ところで第2施工地区から
   の意見は
F氏 個人的意見として聞いてほしい
   銀座商店街は区画整理が商業集積への助け船として最初に手を挙げた
   F町全体を対象とした町を考えていたが実際は違ったのではないか
   足に合わない靴は要らない

コーディネーター:市民の立場として
C氏 帰郷したとき緑が見える市として安心していた
   もっと時間をかけて明日が見える町を造りたい

コーディネーター:平行線にならないように公共性と個人との評価といった兼ね合いの
   なかでメリット、デメリットに関する評価を明確にしなければいけないが。
   視点の問題として。
狩野 人の道車の道を明確に分離する
   歴史の道=久保町坂は人の道

コーディネーター:工区の問題について
二谷 範囲を広げれば集配合がやりやすくなる
   身の丈に合った工区を(一工区で140億はリスク回避が可能か
                         市の単独資金20億そこそこ)
   全員が同意の時期はそう簡単にはこない。市の考えている数値とどう兼ね合うか

コーディネーター:夜間人口の減少に関しては、また、具体的対応例は
井上 今日ほど社会変革が大幅に変わった例は少ない。これまでは広域型福祉で社会福祉
   全般が施設型であった
     すべての国民は最小限の文化的生活が保証されなければならない(憲法)
   地域の中で福祉担保が必要→郊外から地域のコミュニティー(町中に)へ転換
   商業者はシャッターを8時に閉めて9時に通ってくる。サラリーマンである
       大型店舗は町ではない。地域で住みながら(都心居住)が基本
   居住地としてふさわしい道路が考えられるべきである

コーディネーター:大阪に道路2m化の例があるが
井上 守口市 大阪のベットタウンで 駅前に高齢者施設がある。生活が駅前の顔
      商業地は一歩背後に引っ込む 15年以上前に造られた街

コーディネーター:拡幅された道路があるとしたら
K氏 道路幅は広すぎるという町内会の意見ある
   マスタープランに血が通わない
     20mであっても建物が似合う、スピードを落とさせる方法もあるのであろうが
   検討されていない

コーディネーター:上口からの希望、心配事は
N氏 K町内で区画整理に入っている部分と該当外の地域があるのでなかなか纏まりに
  くい
   K橋の通りは何時やるのかわからない

コーディネーター:京都はいじれない法規制がある中で巧みな利用方法があるが
       たとえば工区を超えて換地(?)の考え方は
F氏 土地を離れてしまうことは致し方ないにしても商業集積地に換地をしたいが
二谷 現在のところ方法はない
S氏 敷地の奥が使えるようにという要望がある

会場から
G町内会長S氏
   守口市の駅前には感動した。商業者ばかりのまちづくりがまちづくりではない。発想
  の転換が必要

井上 20年前の発想が今評価される
   富田林は車が入れない住宅都市    ライフスタイルを見直す必要がある
   その他の例として=相模原のシニア・高齢者対応・商業・保育園など複合施設

コーディネーター:今日の朝日新聞交通シンポジウムにはフランスの例であるが話し合
  いを重視するスタイルが載っている。折り合いをいかに付けるかは公益性とエゴ
  (個人的利益)のバランス

コーディネーター:商業の集積について、現在の商店街650mが1/2になったとき
   の形としては
狩野 集約された共同ビル
   一街区内で共同化ビル アメ横的商業集積
   空き店舗に他地区から移転
      以上三つの方法が考えられる
井上 パティオの提案
狩野 店舗内を歩く=釜石の雁木に代わる先代の知恵(例)
   ローマの共同住宅=一階をタベルナにした階層の混在化
   地形段差を用いた南側街区の空間利用を考えたらどうか
   北側街区は山が後背部に迫っているので集客方法としては別方式を考える必要
会場 第二工区 20年前から3m化、その後なかなか進まない せめてそのくらいは
   補助事業でまちづくりができると思った 第二工区になった理由を聞いていない
   推進協議会に呼ばれたことはない
   換地ができない 第一工区(商業集積予定地に)移り様がない 集積の仕様がない
           15年後のことがわからないから子供の代に委ねたほうがよい
   小名浜ショッピングセンターなどうまくいった例がない
   現状はまったく分からない 道路だけ既成事実では先が分からない
   F町全体で話し合いができなければどうしようもない
   15年後まで待つ間何か生活を永続させていく方策はあるのか
E氏 換地なりの費用で一工区に移動できる方法はないのか
   第一工区だけで商業集積はできない
   テナント料を二重に払うだけの余裕はない
   何か第一工区の補助やなにかに類する方法はないか
二谷 これまで進めてきた3m拡幅のような住民の地道な努力以外にない
   K市とF市のベットタウン的性格が強くなるものと推定される
   現実400名の生活そのものを見据える
   基盤整備だけは一生に一度の機会しかない よく話し合う必要がある
     TMOをたちあげて本格的まちづくりを考えるべき 最優先の補助制度
   道路幅20Mには反対、 歩道は4.5M程度でよい
   基本的条件の整備を話し合うべき

コーディネーター:町は誰のためにつくるのか
井上 事例だけ紹介 山口 阿知須町のTMO=地域住民の70%が出資者
          住民が小額であるが全員出資をし、公共施設も担保

コーディネーター:有利な制度はあるか
井上 共同化、パティオ事業がある
二谷 道路実現のためだけの区画整理事業という考え方もある

コーディネーター:大分時間もオーバーしておりますのでこの辺りで纏めに入りたい

纏め:近江理事長
   いつものことではあるが、シンポジウムが盛り上がってきたらもう終わりになってし
  まう

   N市はK市とF市の中間にあってこれから大きな花を咲かせるといった状況ではない
     →人口は増えないがその中で何ができるかを考える必要がある
  都市(N市)が生き残るためのキーワード
   歴史・文化  生活の中に活かす  人を呼び込む要素となる
   福祉     高齢化社会で住みやすい環境が求められる
生活・居住性 都心居住の推進 定常的購買力の増強
   共同事業   この事業を通じて公共性を生み出す
          他人の財産権に対して物を言う そのことによって町が守られる
   道路は人の流れを滞留させる意味もある
          点(日常生活)の連続で点そのものに意味があり、その連続性が
         公共性を産む
  中心市街地としての発想の転換が迫られる
  あらゆる計画に対して情報交換と情報公開が重要
  TMC(まちづくりカンパニー)を小規模でもたちあげる 補助は有効
  都市の中心とは何かという疑問を持ってほしい
         都市の中心に骨格をつくる
         一本の線を引くことの中で守られるもの・捨てられるものの実態
        を考えてほしい

以上のような状況のもとにシンポジウムは閉会した





シンポジウムを終えて(狩野雑感)

自分たちがどのような「まち」にしたいのかという共通のイメージを持つことが急務
   これからの日常生活を町の中に置き換えて考えてみる
       人が集まる所・人の流れ・町の特徴・買い物の様子・祭りの広場など、自分
      たちが日常生活を送る上で必要で楽しめるものについて先ず共通のものを創
      り上げる必要がある

   駅前から旧大手門から歴史的意味の深い坂を城址公園まで歩かせる方法
      先ず旧大手門まで人を引き寄せるには
         旧大手門周辺をどのような姿にすることが望ましいか、そこまでの連
        続性を確保する方法は
      旧大手門から歴史的坂道にかけて何か変化や楽しみを打ち出すものはないか
      歩くこと自体が楽しみになる仕掛けは

住んでいることが快適に感じられる生活空間は何か
   食べることに不安を感じないで済む→手に入りやすい所に食料入手施設が集まって
                   いる
   病気などの時に安心していられる→市街中心部に医療支援施設・高齢者福祉施設集
                   中
   危険が少ない→中心市街地・中心商店街は歩行者優先
   人が溜ることのできる空間がある→大手御門周辺を町の「ヘソ」的空間に

共同出資・全員債権者の「まちづくり会社」
   住民全員の共同出資による第一・第二工区共同まちづくり会社を設立することによ
  って第一工区内に店舗を確保し、第二工区居住者が移転営業可能なように便宜を計っ
  てはどうか

道路の取り扱いについては(よく検討すべき内容)
   歩道のみを拡張したM町地区の整備方法を参考にしてはどうか
   車の巡回路としてR川整備道路と一体化した東西道路の設置を検討してはどうか
   西行きする車の駅前交差点右折は本当に必要か
   M地区から南行きする道路の拡張による巡回路の整備を優先させたらどうか
   旧大手門坂は歩行者優先道路とすべきではないか
   パーソントリップ・マップは自動車交通のみを対象としたもので、生活道路として
  の配慮が欠如している
   中心市街地への車の誘導は必要車両に制限し、巡回ミニバスなどで通勤通学時の
  便宜を図っては

住民の姿勢として

 住民の立場として、自分たちが住む町の将来の姿を自らが設定していく必要がある。そ
れを現実のものとするためには、住民組織としての「まちづくり会社」をつくり、自らの
組織の中で専門家を要請(→養成)し、実現方法を検討するべきであろう。
 そのためには、中心市街地と中心商店街が本来包含・要求している内容を、住民全員が
充分に認識・共有する必要があろう。


中心市街地と中心商店街の意味

 中心市街地が要求する特性と考え方:
     集住するだけでは中心市街地の意味は生じない=郊外型新開発地区でよい
     既存のコミュニティーが培ってきた歴史・文化とルールの継承
     キーワードとしての協同性
     公益施設の集中
     社会性としての公益性継承の必要性
     歩行者優先の生活圏確保
     日常的生活圏のなかに生活必需品販売店を確保

中心商店街が持っていた特性と考え方:
     祭りや歴史・文化的施設が集約
     周辺地区からの誘導性と地区内回遊性
     界隈性の誘発
     歩行者優先の生活圏確保
     個々の商店が有する公益性とその公益性継承に対する再認識が基本
     地域社会における教育性の確保
     職住接近による社会管理者的性格の定住者が中心
     後背部に商圏としての日常的生活圏を確保

 広域性や幹線道路の在り方は上記の生活圏確保を前提とした検討の中で行われるべきで、
各公共団体の補助政策は、都市圏拡大型か中心市街地集約型かのどちらか一方に集中すべ
きものと考える。一方で拡大政策を支援する補助申請をしながら、他方で集約型政策に対
する補助申請をするといった手法は都市の将来を惑わせる結果となる。
 都市圏拡大政策を選ぶも、中心市街地集約政策を選ぶも地方自治体の選択権のように見
せているが、国の基本政策は中心市街地集約政策であることを認識すべきであろう。

始めに
N市の明日へ