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平面ラーメン骨組

実験目的

ラーメン構造を構成している部材は,柱と梁であり一般的には梁より柱のほうが強く作られている。本研究では,極端に断面が異なる部材を柱とはりに使用した平面ラーメン模型を用い,水平荷重を加えた時の変位を測定し,崩壊するまでの骨組の変形形状を比較する。

実験方法

下記に図3.1試験体概略図,写真2.1試験体1を,写真2.2試験体2を記す。寸法はスパン250mm,高さ180mmの2層ラーメンとした。試験体1は柱10mm角,梁5mm角を用い,試験体2は柱5mm角,梁が1mm角とし,ともに発泡スチロール棒で作成する。接合部は直角を保つためにL25×10×1のL字金物で補強した。また,ばねばかりでF点を固定し戸車付きの土台をB点から外側に引っ張り,荷重と変位を測定する。

 表2.1,図2.2に平面ラーメンの崩壊の実験結果を示す。今回の実験ではF点を完全固定にできなかったのでデータに多少のばらつきが出てしまった。図2.2の近似直線の傾きは試験体2より試験体11.5倍の値を示している 
 1)試験体1
 荷重が大きくなると,比例して変位が増加する。各節点が角度を90度に保ちながら2本の梁とも波打つように変形し,柱も2本とも梁ほど大きくはないがS字に変形しているように見て取れる。また,最大2.9Nとなり,C点とE点から25mm内側ずれた曲げモーメントが最大となる梁のL字金具付近の2ヵ所で破断した。
 2)試験体2  
 荷重が大きくなると,比例して変位が増加する。試験体1同様各節点が角度を
90度に保ちながら2本の梁には変形は見られないが,柱はC点,D点を境に2つずつ計4つのS字変形が見て取れる。また,最大1.8Nとなり,A点から25mm上にずれたモーメント値が最大となる柱のL字金具付近で破断しが,模型全体にねじれが発生したため正確な荷重を読み取ることができなかった。
 以上の結果より,骨組の変形は柱の剛性の影響が梁よりも大きいこと,梁の変形がS字状の曲線になることが明らかになった。
 また,下記に実験映像と破壊後の試験体を示す。

表2.1 図2.1 実験結果

実験結果

試験体2
試験体1
実験映像

模型による軸組の崩壊の実験により,水平荷重に対して断面積のちがう平面ラーメンの耐力と変位の関係を表現できた。また,写真1のように実際の変形状態についても確認することができた。

考察

図2.1 試験体概略図